以前は軽トラックを販売している3つの自動車会社からターボつきモデルの軽トラが販売されていましたが、近年ではその数も減少傾向です。皆さんはこの理由知っていますか。
まず、スズキのキャリイにターボモデルがあり、当時60馬力を誇る軽トラックがありました。しかし、このスズキのキャリイも2000年にターボつきモデルの軽トラの販売を終了しています。同じようにダイハツのハイゼットもターボつきモデルからターボを排除したモデルにモデルチェンジをしています。
これには理由があります。まず、1999年に軽自動車の安全基準が変更されました。その際、車体が以前より大きくなり、この時に問題になったのが排ガス規制です。車体を大きくすることができるようになった分、排気ガスの規制に引っかかるようになります。
そこでスズキはエンジンの出力を下げ排出ガスの量を減らしたターボモデルを販売しましたが、売れ行きが悪くメーカーが期待していたほどは売れませんでした。「この理由はなぜだと思いますか?」答えはものすごく単純です。軽トラの用途は、農具の運搬や左官工具の運搬に使用するいわゆる仕事を補助する際に使用する車で、スピードが出ることよりも燃費や価格を優先して購入します。
ターボモデルを購入する際20万円の差があった場合ターボの無いモデルを購入するわけです。
他にもパワーがあだとなるケースもあります。ターボ車のよい点はパワーですがそのパワーが時として邪魔になることもあります。
田舎の砂利道や泥道だとパワーがある車は滑りますし、ましてやお年寄りの農作業を補助してくれる軽トラにパワーは必要ないのです。ですから軽トラからターボ車が消えていったという訳です。
ターボモデルは無くなったが安全性は向上
では、逆に今の軽トラに装備されているものはどんなものかというと誤発進抑制機能です。この機能はアクセルとブレーキを踏み間違えた際、踏み込み方をセンサーが判断して急な加速を防いだりする機能のことでアクセルを急に踏み込んだ際などに車が急発進するのを防ぐ機能です。
ダイハツの場合はハイゼットに装備されていて、スズキだとスーパー キャリイに搭載されている機能です。
軽トラを使用する方には高齢者が多いのでアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を減少させる目的として装着されている機能です。
他にもダイハツでは衝突を未然に防ぐために、カメラを搭載して横断している対象となる人物と自車との距離を測り自動でブレーキを踏み衝突を回避するシステムなどを導入しており、軽トラはいまや安全を重視して運転できる乗り物としての地位を確立しており、パワフルな走りを求める自動車ではなくなりつつあります。
ターボ車はメンテナンスも大変なことも不人気の理由
特にメンテナンスなどの際もターボ車ですとターボタービンの清掃なども本来であれば定期的にしないとターボのパワーが落ちてしまうので面倒な点もあり、人気がいまひとつ伸びなかった理由のひとつです。
また排気圧を利用して無理やり空気をエンジン内部に加給する過給機であるターボは、自然吸気システム(ターボのついていないエンジン)のエンジンと比べエンジン内部にかかる圧力も高いことから故障が多く、特にオイル交換などのメンテナンスをまめに行っていないと様々な不具合が発生しやすいのです。
現状では、ターボつきの軽トラックを購入する方法は中古で古いターボつきの軽トラックを購入するしか方法はありませんが、軽トラックは古いものでも人気のある車種は高いので後からターボをつけるといった方法もあります。
こちらは自動車の改造となり専門の業者さんにお願いして現行の軽トラックにターボを装着してもらうサービスですが、そこまでしてターボつきの軽トラックがほしいかといわれると疑問です。
だったらミニバンの軽自動車で良いじゃないかということになりますよね。もしくは、四駆車(4WD)だとパジェロミニとかジムニーとか選択肢も多いですし、何も軽トラックに乗らなくても良いじゃないですかということになります。
以上が軽自動車からターボつきモデルが消えていった理由となりますが、現状を考えるとこれからもターボつきモデルの軽トラが出ることはまずないでしょうね。顧客のニーズにあっていませんから。